インボイス制度をわかりやすく解説

お金の話

最近よく耳にする「インボイス制度」という話題

会社の経理担当者でもない限り、聞きなれない言葉ですよね。

 

このインボイス制度導入で、

  • 小規模事業者がつぶれる
  • フリーランスがやばい

なんて言われたりするけど、どうしてなのでしょうか?

 

ここでは、

  • インボイス制度とは何か?
  • 誰に関係あるのか?
  • 導入されるとどうなっていくのか?

などを書いていきたいと思います。

 

インボイス制度とは何か?

まずは、言葉の意味から

インボイスとは、「送り状」とか「請求書」と言われるものです。

取引の内容や税率などがわかる書類のことで、

  • 請求書
  • 領収証
  • レシート

と思えばよいです。

 

これだけだと、「請求書の制度ってどういう意味?」となりますよね

国税庁HPでは、インボイスを「適格請求書」と記載しています。

何が「適格」なのかというと、

  • 自分は消費税をちゃんと納めてますよ

という証明をしている、という意味で「適格」なのです。

 

消費税を納めている?

  • そんなの当たり前じゃないか、とか
  • そもそも消費税を納める仕組みなんて知らないよ

となると思うので、そこの仕組みを解説します。

この先を読み進めていくと、

  • 合法的にお客から「預かった消費税」を自分のものにできる方法

があることがわかります。

 

消費税の仕組みについて

消費税の仕組みについて、今回のインボイス制度の説明に必要な部分だけ書いていきます。

 

消費税を納めるとは?

我々は消費税分のお金を普通にレジで支払ってるけど、どうやって国や地方自治体に納められているのでしょうか?

 

我々がお店などに支払った消費税は、

  • いったんお店などの事業者や個人事業主(以下事業者等)が手元に預かっておいて
  • あとでまとめて税務署に納めます

→これを「預かった消費税」ということが多いです

 

まとめて税務署に納めるといっても、全額納める必要がないケースがあります、というか、その方が多いのです。

それはどういうケースでしょうか?

  • 事業者等が商品などの仕入れの際に消費税を支払っている場合

です

まあ、普通は何らかの形で消費税を支払うことになりますよね

飲食店の場合、食材を仕入れる際、家賃を払う際などに消費税かかりますもんね

 

その自分が支払った消費税をなぜ「預かった消費税」から差し引いていいのか?

実はこれこそが、「インボイス制度」問題の核心です。

 

支払った消費税を差し引ける理由

先ほど消費税は、

  • お店などが預かっておいて
  • あとでまとめて納めている

と説明したと思います

 

ここで飲食店を例に話を進めていきます

我々消費者が支払った消費税は、飲食店があとでまとめて納めてくれます

そして、飲食店が食材仕入れの際に支払った消費税はというと、

食材を販売している会社があとでまとめて納めてくれます

 

ということで、

飲食店が食材販売会社に支払った消費税は、食材販売会社が納めてくれています

そのため、飲食店が支払った部分については、税務署としてはすでに食材販売会社からもらっているので、「預かった消費税」から差し引いていいよ

となっているのです。

支払った消費税を差し引けるのは大事

会社からすると、自分が「支払った消費税」を「預かった消費税」から差し引けるというのは、とても大事なことです。

 

なぜかというと、その金額がバカにならないからです。

 

例えば税抜きで年間売上5000万円の会社があったとすると、

「預かった消費税」は10%なので500万円ですよね

自分が「支払った消費税」がなければ、そのまま500万円を税務署に納めるわけです。

 

でも仕入れで税抜き3000万円を支出していれば、「支払った消費税」が300万円あることになります。

この場合だと、

  • 500万円-300万円=200万円

で、税務署に納める消費税は200万円ですみます。

年間売上5000万円の中で、300万円の差はとても大きいですよね

 

つまり、「支払った消費税」を税務署に納める消費税から差し引けることは、とても大事なのです。

免税事業者という存在

話は変わりますが、消費税の仕組みの中で、免税事業者という仕組みがあります。

 

これは読んで字のごとく、「税金を納めるのを免除してあげる」会社、ということです。

 

そんなことがあり得るのか?と思うかもしれませんが、

  • 小規模な会社だと事務の負担が大変だろうから、一定の売上以下なら消費税は納めなくていいよ

となっているのです。

 

では、その一定の売上額とはいくらか?

答えは、税抜で年間1000万円以下です。

 

1000万円というと多いように感じますが、年間売上が1000万円ってことは、そこから仕入れや、家賃や、従業員の給料などが引かれるので、利益はほとんど出ない会社が多いです。

 

この免税事業者に該当すれば、自分たちが売り上げた際にお客から「預かった消費税」を税務署に納めなくてよいのです。

 

インボイス制度で影響が出るケース

ここまで消費税の仕組みを説明してきましたが、やっと本題に入ります。

 

インボイス制度は、

  • お客に請求書などを渡す際に「自分は消費税をちゃんと納めています」

と証明する制度と説明しました。

 

なぜこんな証明が必要かというと、

  • 「支払った消費税」は、税務署に納める「預かった消費税」から差し引ける

と説明しましたが、ここに関わってきます。

 

そうです。

「支払った消費税」は相手がすでに税務署に納めているから差し引けたのであって、相手が納めていなければ差し引ける根拠がなくなってしまうのです。

 

結論としては、

  • 免税事業者に「支払った消費税」は自分が納めるときの消費税からは差し引けない

となります。

 

さっきの例でいうと、500万円ー300万円の「300万円」の部分です。

つまり、年間300万円、余分に税金を納めないといけなくなるのです。

 

そんなの絶対嫌ですよね。

では、会社としてはどうするか?

  • 免税事業者じゃない会社から仕入れる
  • 免税事業者なら、その300万円分は値引きしてもらう

となることが予想されます。

 

免税事業者がとるべき方法

 

免税事業者がとるべき対応としては、

  • 課税事業者になる
  • 消費税分を値引きする

があります。

「課税事業者になる」とは、免税事業者でも、自分から届出書を提出すれば課税事業者になれるので、それを利用する方法です。

 

そうなると、今後は消費税を納めなくてはならなくなります。

 

「消費税分を値引きする」は、文字通り値引きです。

10%値引きするわけですから、いまより収入が10%減ることになります。

 

いずれにしても、今より経営が厳しくなります。

 

 

 

 

 

参照:国税庁HP(インボイス制度の概要)

 

 

 

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